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2024年05月24日
SFPE性能基準と性能設計に関する国際会議ケーススタディ参加報告
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4月17日~20日にSFPE主催の性能基準と性能設計に関する国際会議がコペンハーゲン
で開催され、日本からはケーススタディの発表のために会員6名で参加しました。今回は
①Worker Housing, ②Forest tower, ③Co-living/working Facilityの3題の課題が提示され、日本
とニュージーランドが①、スイスとイギリスが②、IMSFE(防火部門を持ついくつかの大学の
連合チーム)が③に取り組みました。Worker Housingの課題は、未開の地の開発のための労
働者用宿舎の防火設計で、消防力の期待できない環境で、火災安全を確保しながらいかに高
密度に宿舎を設計するかがテーマでした。日本の提案は、木造の建物として耐火部材と準耐
火部材を組み合わせることで火災時の建物の崩壊方向を制御し、高密度を実現するという
ユニークなものでした。対するニュージーランドチームも精緻な検討を行い、セッション全
体として中身の濃いものだったと思います。
ちょうど会議開催の一日前に、会場となったホテルのすぐ近くの場所に建つ旧証券取引
所の建物が火災となって、パリのノートルダム寺院と同じく木造の屋根架構と尖塔が崩壊
する結果になってしまいました。会議の3日目にコペンハーゲンの消防長官が急遽参加し
て緊急報告のプレゼンを通じて、火災や消防活動の状況報告とともに、このような火災が繰
り返されないように防火技術者が力を発揮してほしいという強い呼びかけがあり、満場の
喝采を浴びていました。
このような予期せぬ事態も含めて、日本チームにとっては大変有意義な経験となりました。
日本からの参加メンバー 旧証券取引所の火災状況
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